ザクロって?
ザクロは、中東やイランを原産とするフルーツで、その歴史は5000年以上前にさかのぼるといわれています。外見は赤く硬い皮に覆われており、内部にはルビーのように輝く赤い果粒がぎっしり詰まっています。この果粒はプチプチとした食感と甘酸っぱい味わいが特徴で、小さな種が入っています。
ザクロは秋が旬で、9月から11月頃が最もおいしくなる時期。国産のものは酸味が強めですが、輸入品には甘みの強い品種もあり、さまざまな味わいが楽しめます。また、ザクロにはビタミンCやカリウム、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが豊富に含まれており、美容や健康にもうれしい果物です。
食べ方としては、そのまま果粒を食べるのはもちろん、ジュースやサラダ、スイーツのトッピングなどにも幅広く活用できます。ザクロの鮮やかな赤色は料理に華やかさを添えるため、食卓のアクセントとしてもぴったりです。
ザクロは家庭菜園できる?
ザクロは鮮やかな花や実を楽しめる上、美容や健康にうれしい果実が収穫できる家庭菜園にぴったりな果樹です。ザクロは暑さや寒さに強く、日当たりの良い場所であれば比較的育てやすいのが特徴です。地植えでも鉢植えでも育てられますが、スペースがあれば地植えがおすすめです。
植え付けは12月~2月の冬場が最適。苗を選ぶ際には3年生の苗を選ぶと早く収穫を楽しめます。土は排水性と保水性がバランスの良いものが理想で、市販の培養土や赤玉土と腐葉土を混ぜたものが向いています。植え付け後は2週間ほどたっぷり水やりをし、その後は土が乾いたら水を与えます。
肥料は春(3月)と収穫後の秋(10月)に施します。特にリン酸やカリが多く含まれた肥料を選ぶと実つきが良くなります。剪定は12月~2月に行い、混み合った枝を間引くことで風通しを良くしましょう。
ザクロの品種10選
ワンダフル
カリフォルニア産ザクロの代表品種ワンダフルは、その名の通り特大サイズの果実と濃厚な味わいが魅力です。一つの果実が約350~400グラムにもなる大玉で、糖度16~17度と甘味が強く、果汁もたっぷり。
春には朱赤の筒状の花が咲き、庭を彩る観賞価値の高い木でもあります。秋に収穫できる実は、生食はもちろん、ジュースやシロップ、果実酒など多彩な用途で楽しめます。また、耐寒性・耐暑性・耐乾性に優れ、虫もつきにくいため、初心者でも育てやすい品種です。
大実日本甘ザクロ
大実日本甘ザクロは、日本で育てやすく、初心者にもおすすめのザクロ品種です。果実は100g前後と小ぶりサイズですが、甘みがあり酸味とのバランスが絶妙。生食はもちろん、果実酒やジュースにもぴったりです。収穫期は9月下旬から10月中旬頃で、熟すと果実が自然に割れる特徴があります。
病害虫に強く、手間がかからないため、ほったらかしでも育つ果樹として人気です。
スイートハニー
スイートハニーは、種なし品種として親しまれるザクロで、小さな種があるものの、簡単に噛み砕けるため気にせずそのまま食べられます。果実は大きく、250~400グラムほどのサイズで、甘酸っぱくジューシーな味わいが魅力です。糖度は16度程度で、酸味やえぐみが少なく、とても食べやすいのが特徴です。
この品種は寒さにも強く、庭植えや鉢植えに適しています。また、ザクロ特有のオレンジ色の花も美しく、観賞用としても楽しめます。
カリフォルニアザクロ
カリフォルニアザクロは、日本のザクロの2倍以上の大きさを誇る豊産性の品種です。果実は230グラムほどで、真紅に輝く果皮が特徴的。甘みとほのかな酸味が絶妙なバランスで、生食だけでなく、ジュースや果実酒としても楽しめます。果実は破裂せず、見た目も美しいため、庭植えや観賞用にも最適です。
病害虫に強く、暑さや乾燥、寒さにも耐性があり、手間要らずで育てやすいのも魅力です。
シャインレッド
シャインレッドは、種が柔らかく気にならない食べやすいザクロで、種なしザクロとして知られる人気の品種です。果実は200~250グラムと大きめで、鮮やかな真っ赤な果皮が特徴的。甘さが際立ち、酸味が少ないため、生食にぴったりです。
また、病害虫に強く、高温多湿や乾燥にも耐えるため、放任栽培でもしっかり育つ育てやすさが魅力。庭植えや鉢植えとして楽しむことができ、剪定も簡単です。春に咲く朱赤の花も美しく、庭木や観賞用としてもおすすめの品種です。
白実フルーツザクロ
白実フルーツザクロは、酸味が非常に少なく甘さが際立つ、珍しい白色の品種です。その果実は230グラム前後と大きめで、爽やかな甘さが特長。ジュースに利用されることが多く、健康と美容にも良いザクロとして注目されています。また、オレンジ色の花も美しく、観賞用としても魅力的です。
この品種は育てやすく、病害虫に強いため初心者にもおすすめ。庭植えや鉢植えで楽しむことができ、特別な手入れはほとんど必要ありません。自家結実性があるため、1本で実がなるのもうれしいポイントです。
ペルシャブラック
ペルシャブラックは、その深みのある赤黒い果肉と花で黒い宝石とも称される、珍しい品種です。果皮は紅色で、果肉は甘くて酸味が少なく、ジュースや生食にぴったり。
果実は230グラムほどで糖度が高く、濃厚な味わいが楽しめます。また、花と果実の美しさから観賞価値も高く、庭木や鉢植えにもおすすめです。
中華ザクロ王
中華ザクロ王は、その名の通りザクロの王様とも言える超特大果実を誇る品種です。平均果重が約660グラムにもなる果実は、鮮やかな赤い実で鑑賞価値も高く、庭木としても魅力的です。
完熟すると甘酸っぱく爽やかな味わいで、ブドウ並みの甘さが楽しめるのも特徴の一つ。耐寒性は-20℃にも耐えるほど強く、雌花が多いため結実性が高い豊産性の品種です。
初心者でも育てやすく、手間がかからないのもポイント。庭植えでも鉢植えでも対応可能で、収穫した果実は常温で半年ほど保存ができるため、長く楽しむことができます。観賞用・食用どちらにもおすすめのザクロです。
大実水晶ザクロ
大実水晶ザクロは、花も実もクリーム色という珍しい見た目が魅力の品種です。花は可憐な黄白色で、実も優しい色合いの黄白色に色づきます。果実の重さは約230グラムと大きく、完熟すると甘みのある爽やかな味わいが楽しめます。自家結実性があるため、1本でもしっかり実をつけるので、家庭での栽培にぴったりです。
五彩榴
五彩榴は、赤・白・絞りの3色の花を咲き分ける、観賞価値抜群の花ザクロです。八重咲きの花は豪華で見応えがあり、花色の変化が楽しめる珍しい品種です。また、新芽が青や赤、オレンジ色を帯びるなど、ユニークな特徴も魅力。果実はならないため、花を楽しむためのザクロとして人気があります。
まとめ
ザクロは、おいしさや栄養価の高さに加え、美しい花や果実の観賞価値も魅力の果樹です。家庭菜園で育てられる品種は豊富で、初心者向けの育てやすいものから観賞専用の珍しい品種まで多彩にそろっています。甘さや酸味、果実の大きさ、栽培のしやすさなど、それぞれの品種の特徴を生かし、自分好みのザクロを選ぶ楽しみもあります。ぜひお気に入りのザクロを見つけ、家庭菜園や庭木として取り入れてみてください。