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ナスと相性の良いコンパニオンプランツは? 混植に適さない組み合わせや前作・後作に植えたい野菜まで解説

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2種類以上の異なる作物を上手に組み合わせて一緒に植えることで、お互いに良い効果を与え合うコンパニオンプランツ。農作物の生育を促したり病気や害虫を防いだりといった効果が期待でき、空間の有効活用にもつながります。
この記事では、ナスの栽培に適切なコンパニオンプランツは何か、相性の良い野菜やハーブの種類を紹介するほか、植え方や注意点についても解説します。お互いにメリットのあるコンパニオンプランツを選んで、畑や家庭菜園に取り入れてみてください。

実ったナス

ナス科ナス属のナスはインド原産の野菜で、原産国のインドでも広く食べられています。暑さや強い日差しにも強く、高温多湿な日本の夏でも栽培しやすい作物です。水を好み、夏場の水やりが欠かせません。一方で乾燥と寒さに弱く、連作障害が出やすい性質があるので注意が必要です。ナスと特に相性の良いコンパニオンプランツには、下記の5種類があります。

落花生

落花生

マメ科ラッカセイ属の一年草であるラッカセイ。マメ科の根粒菌には空気中の窒素を固定する働きがあり、土壌を豊かにしてナスの生育を促進してくれます。また、ラッカセイは土をはうように広がって伸びるため、乾燥に弱いナスの株元を保護してくれる効果もあります。

ショウガ

ショウガ

ショウガは高温多湿の環境に適した植物ですが、強い日差しには弱い性質があります。半分日陰の環境でも生育できるため、葉が生い茂ったナスの近くでも問題ありません。

ニラ

ヒガンバナ科ネギ属のニラも、ナスと相性の良い作物です。根に共生する拮抗菌の働きで、ナスの脅威である青枯れ病などを防ぐ効果があります。根が近いほど効果を発揮できるため、ニラとナスをできるだけ近づけて植えると良いでしょう。
また、ニラの強い香りは虫よけの役割も果たします。

シソ・バジル

シソ

シソ科シソ属のシソとシソ科メボウキ属のバジル。独特の強い香りを持ち、アブラムシなどの害虫を寄せつけない効果があります。また、葉が茂ることでナスの株元に適度な日陰を作り、乾燥を防ぐ働きも期待できます。根の作用を期待するニラとは異なり、過密になりすぎない程度の距離を取って植えつけてください。

マリーゴールド

マリーゴールド

キク科コウオウソウ属のマリーゴールドはさまざまな野菜のコンパニオンプランツとして人気で、ナスとの相性も良好です。マリーゴールドはセンチュウを死滅させる成分を分泌するため、土壌のネコブセンチュウ・ネグサレセンチュウを減らす効果があります。
コナジラミやアブラムシなどの害虫がマリーゴールドの香りを嫌うため、香りによる虫よけ効果も期待できます。

ナスタチウム(キンレンカ)

ナスタチウム

ノウゼンハレン科の一年草であるナスタチウム(キンレンカ)。南米原産で美しい花を咲かせますが、観賞用だけでなくエディブルフラワーとしても知られ、前菜やサラダ、デザートなどに使われます。若い果実はピクルスなどにも活用されます。
コンパニオンプランツとしては害虫を防ぐ効果があります。アブラムシはナスタチウムの強い香りを嫌うほか、アブラムシを食べてくれる益虫であるテントウムシを誘う植物でもあるため、虫よけに力を発揮してくれます。

相性の良い組み合わせと効果一覧表

<野菜編>

コンパニオンプランツ 分類 成長促進 病害虫の予防 株元の保護
ラッカセイ マメ科
ショウガ ショウガ科
ニラ ヒガンバナ科

<ハーブ・花編>

コンパニオンプランツ 分類 成長促進 病害虫の予防 株元の保護
シソ・バジル シソ科  
マリーゴールド キク科
ナスタチウム ノウゼンハレン科

ナスとの混植に適さない野菜

キュウリ

キュウリやカボチャ、スイカ、ズッキーニなどウリ科の植物は土壌のセンチュウを増やしてしまう可能性があるため、ナスとの混植には適していません。
トウモロコシもナスと一緒に植えない方が良い作物です。縦に長く伸びるトウモロコシは、ナスに必要な日光を遮ってしまうおそれがあります。
また、ジャガイモやトマトなど同じナス科の植物も注意が必要です。土壌の栄養の取り合いになる可能性があるため、あまり近くには植えない方が良いでしょう。

ナスの前作・後作に植えたい野菜・NGな野菜

ナス畑

ナスは連作障害を起こしやすい作物として知られています。ナスを続けて作るのはもちろん、トマトやピーマン、ジャガイモなど同じナス科の野菜を前作・後作するのも避けましょう。ウリ科・マメ科・セリ科などの野菜は問題ありません。
ウリ科のカボチャやイネ科のトウモロコシ、ヒガンバナ科のタマネギなどもナスの前作・後作に適しています。

ナスのコンパニオンプランツを選ぶポイント

夏の太陽イメージ

コンパニオンプランツを取り入れる際は、相性の良い植物の中から自分が求める効果を得られるものを探してみてください。
また、ナスの特性をよく理解した上でコンパニオンプランツを選ぶと良いでしょう。
インド原産のナスは暑さへの耐性がありますが寒さには弱く、気温10℃以下では生育しないとされています。定植は最低気温が10℃以下にならない時期を見極めて行う必要があります。家庭菜園では、種から育てるのではなく市販の苗を購入して植え付けるのが一般的です。乾燥にも弱いため、こまめな水やりが欠かせません。高温多湿な日本の夏の気候に適した作物と言えるでしょう。

コンパニオンプランツを利用する際の注意点

収穫したナス

家庭菜園や畑に気軽に取り入れられるコンパニオンプランツですが、注意すべき点もあります。さまざまな効果やメリットを得られる一方で、知っておきたい主な注意点として下記の三つがあります。

注意点①農薬について

コンパニオンプランツを取り入れることで農薬の使用を減らしたいと考える人も多いのではないでしょうか。虫よけや病気予防の効果があるコンパニオンプランツでも、農薬に比べれば作用するまでに時間がかかったり、効き目が穏やかだったりする点には注意が必要です。直ちに農薬の使用をゼロにできるわけではないので、コンパニオンプランツと農薬をうまく組み合わせて使用すると良いでしょう。
また、農薬にはそれぞれ使用できる作物や使用方法などが定められています。規定に従って適切な利用を行なってください。

注意点②コンパニオンプランツの植え方について

コンパニオンプランツの植え方は、異なる種類の作物を一緒に植える「混植」が基本です。高温多湿の環境に適応したナスは、強い日差しと潤沢な水を好みます。ナスへの日当たりが阻害されないよう、コンパニオンプランツを植える距離や向きを調整してください。乾燥に弱いため水やりも欠かせません。

注意点③コンパニオンプランツの効果について

実際にコンパニオンプランツを植えてみても、あまり効果が感じられない場合もあります。期待するような効果が得られない場合、生育が良くない場合は、それぞれの植え方や日当たり、風通しに問題がないか、ナスとコンパニオンプランツの距離や位置を確認してください。水も十分に与えるなど、適切な環境の整備が必要です。
コンパニオンプランツはすぐに劇的な効果が表れるものではありません。化学肥料や農薬に比べて効き目が穏やかである点は理解しておきましょう。

ナスの栽培にコンパニオンプランツを取り入れよう

薬剤の使用を減らし、病気の予防や虫よけ、お互いの成長促進などさまざまな効果を得られるコンパニオンプランツ。夏の野菜として人気のナスの栽培でも活用することができます。ナスと相性の良いコンパニオンプランツを選んで、畑や家庭菜園にぜひ取り入れてみてください。


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